■「選挙年」について投資家が知っておくべき事
4年サイクルの大統領選とウォール街の間には、明確な歴史的関係がある。これは単に、陰謀論や偶然の一致ではない。
これまで株式市場で繰り返されているテーマであり、それは過去数十年間のデータによって裏付けられた合理的観測でもある。
S&P500の長期チャートで確認すると、4年サイクルのうち、選挙年から2年を離れた年の多くが、明確にV字底をつけ市場に「買い」のタイミングを与えていることが分かる。
2度の例外(1960年と2008年)を除き、大統領選に向かう12~18ヶ月が、最も投資家の利の乗る時期となっている。
ただ、2014年が真に買いの年であったかは疑問である。
政治家は、政権を取った後、できる限り早く市場の悪材料を取り除き、ベア相場から抜け出す必要のあることを学んでいる。
よって選挙戦の準備に入ると、経済および株式市場は順調さを取り戻す。そして選挙戦が本格化する時期には、それまで反対されていた法案や増税案などが議会を騒がすことはなくなる。
政治的影響を受けない立場にあるFRBでさえも選挙前の利上げを控えるようになる。
■極めて「異例」な現大統領選サイクル
株式市場と政治の相関性は、年ごとのパフォーマンスを比較することでより明確になる。
選挙が終わった翌年(新大統領就任の年)を「1年目」、選挙年を「4年目」として、1941~2012年の統計を取ってみると、1年目は平均5%、2年目は同5.7%、3年目は16.3%、4年目は6.6%の上昇率となっている。
この19回の大統領選のうち6回は、「1年目」には2桁の下落が記録されている。2年目は比較的おとなしいものの、それでも19回のうち約3分の1が下落した。
経済刺激策の必要性を強調する政治活動は、概ね3年目に始まり、そのムードを選挙年となる4年目につなげたい思惑がある。
よって、3年目の市場パフォーマンスは圧倒的に強く、約7割となる19回中13回で、2桁の上昇率をたたき出している。
基本的に、4年目の大統領選の年も、マーケットは上昇傾向にあり大きな下落は稀であることが統計から伺い知れる。
強烈なアンダーパフォームを演じた2000年と2008年は異例で、仮にこれら2年を統計から除くと、4年目の大統領選の年の平均パフォーマンスは6.9%から9.1%へと押し上げられる。
今サイクルでは、1年目と2年目が非常に強い上昇となっている。2013年の市場は30%近く上昇し、2014年は10%を超える上昇となった。
しかしながら、本来最も高いパフォーマンスを演じるはずの「3年目」の2015年のS&P500は、1939年以降初のネガティブパフォーマンスとなった。
さらに、基本的に高パフォーマンスであるはずの「4年目」、選挙年の2016年も、本稿発刊時点で10%近く下落し、未だ底をつけたとは言えない状態にある。
2016年は、史実が語る選挙戦サイクルから明確に逸脱している。
そして、直近2回のサイクルもまた、1年目と2年目に、マーケットは強いパフォーマンスを演じているのである。
2005~2008年のサイクルで、1年目と2年目に大きく上昇し、3年目にも上昇したものの、ほぼ「行って来い」となってその年を終えた。
2009~2012年のサイクルでも1年目と2年目に大きく上昇し、選挙戦の年も13.4%という大きな上昇を見せた。
これらの事実は、次に挙げる疑問を呈する。
※内容を追加して更新します(ページを追加します)