■低迷する米市場、「好調さ」を保つ経済指標
米国市場は未だ主要ブルーチップ指数が上向いておらず、FANG株(フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグルの略)を除いてはSP500とナスダック指数はともに低迷を続けている。
しかし、「経済学的」には今日の回復基調を否定することはできないし、景気後退がすぐそこまで来ているなどとはとても考えられない。事実、来週のFOMC会合でFRBが利上げに踏み切らざるを得ない材料は既に出揃っている。
また同時に、一回目の利上げが市場に大きな影響を及ぼすことは稀であり、現実的には「金融引締め」と言うより、正常化への第一歩と見ておけばよいのではないだろうか。
しかしこれとは逆に、債券投資家の陽気なふるまいは、往年の市場参加者に不安を与え続けている。
確かに、「流動性はそこにある限り問題にならない」ではあるが、1兆ドルもの米社債や借入が投資不適格の状態にある事実を無視できない。
疑うべきは、FRBが次の経済下降局面にも起こり得るリーマンショックレベルの金融危機をどこまで本気で憂慮しているのかと言うこと。
■「誠実」な投資を継続
現在のブルマーケットが、既に最終的な頂点を付けたかどうかはまだ誰も確かなことは分からない。歴史的に、市場の頂点が確認されるのはいつも後になってからである。
ただ、それを推し量る便利な指標がいくつかある。それらを使って相場の頂点を探り、相対的なリスクを図りつつ、より誠実な投資に切り替えたいところである。今ここで慌てて市場から飛び出すのではなく、指標を見つめながらポートフォリオを調整し、慎重に利益を狙っていく。
そこで、2016年を迎えるウォールストリートには注意しなくてはならない理由をいくつか挙げておきたい。
年初の時点でいくつかのウォーニングフラッグを指摘し、以降、キャッシュポジションを高めるよう推奨している。今回のブル相場において、これまでで一番高いレベルにまでキャッシュポジションを高めてきている。
また10月のレポートで、一旦の「地固め期間入りか」との疑問を呈したものの、12月現在、マクロリーディングやテクニカル的には「地固め」を確認できていない。端的に言えば、年初に挙げた憂慮は未だ解消されていないということになる。
次回、新年相場を迎える上で慎重にならざるを得ない数々の理由。
※旧サイトより抜粋