■理由6 高止まるバリュエーション
やはり3月以降、S&P
500のバリュエーションは上昇し続けている。FANG株については、90年代のITバブル並のPERをつけて空中遊泳中である。
過去9ヶ月間、S&P
500は同レベルにありながらも、平均PERだけが19.9から22へと上昇している。
3月以降、1%にも満たない上昇率でありながら、原油を含むコモディティ価格とともに、エネルギー、鉱物関連銘柄の収益が落ち込んでいるのである。
結果、平均企業収益は今年11%も下がり、PERを押し上げてしまった。過去88年間の平均PER17.0と比較し、今日では30%も過大評価されていることになる。
先物市場を見ると、来週のFOMCでは80%の確率で利上げを織り込んでいるものの、利上げが近づくに連れて不安定さが増している様子が伺える。
金利の正常化が進めば、現在の平均PER22.0というバリュエーションは強い向かい風にさらされる。過去に同程度の金利の際、平均PERが20.7%であったことを考えれば尚更である。
これまでラージキャップ指数はFANG株に牽引され、スモールキャップ銘柄を凌ぐパフォーマンスを演じてきたが、だからと言って中型株のバリュエーションが改善したわけではない。
同じく3月に特筆した通り、その時点で過去65年間の最高値にあった上場中堅企業のPERは、6月に入ってやや改善したものの、それでも過去66年で2番目の高さにある。
オーバーバリューがベア相場に直結するとは限らない。しかし危険信号であることには変わりなく、90年代のITバブルが証明したように、超割高な状態にある市場はさらなる高値を模索しつつも、ブル相場の終盤に向けてリスクを高めていると言える。
現行のデータが示すものは、株式市場が幅広く過大評価された状態にあることを裏付け、それは特定のセクターや産業に限ったものではないと言うことである。
過去88年間のデータから学ぶものは、来るべき「底深い」ベア相場の到来に備える時が近づいていると言える。
※旧サイトより抜粋